弁護士会費というものを支払っていて常々思ったり、言われたりするのは「月5万以上払って、いったい何に使っているの?」ということです。
会務に多少かかわらせていただいている人間なので、何に使われているかは垣間見ているわけですが(ただ私がかかわる会務はほとんど金を使わないものが多い。非弁とか)、やっぱり、ハコにかかる経費というものは大きいのです。
①会館関連費用
・会館関連の特別会費プロパーで月13,000円ほど
・これに類するものとして新リーガル基金約5000円
 本当はこれは当番弁護・付添維持の資金。月5,000円と記憶)
 →これでたまった資金の多くが新会館資金に流用(返ってくるとの触れ込みですが当てにできるとは思えない。だから新リーガル=会館関連費用とみなす)
 そして、いちおう、会費は値上がりしないスキームのようですが、建設費(特に人件費)が高騰傾向にある現状で、予算どおりに工事が進められるのかといった懸念、また、床面積が増えたりする関係で、維持だけで年間数千万円かかるということで、この負担については一応スキームに組み込まれていたと記憶するものの、会員の負担になることには変わりがないといえます。
②法律相談センター維持費用
 直近の記憶、といっても古いのですが、天神弁護士センターだけで2500万/年=会員一人当たり年間2万円以上、を負担していることになります。
 その後、相談担当者に支払われる日当を大幅減額するなどして赤字圧縮に努めていますが、相談件数が激減の一途をたどり(2015(H27)年には有料相談が2975件にまで減少し、H22年から57%減少)、この相談料で維持されていた面があるので、赤字は解消されていないと見ます。赤字を解消するために相談日当のさらなる減額という手が取られる可能性が高いと見ます。
③依頼者見舞金制度の導入
 来る3月3日の臨時総会で、泥棒弁護士がやらかした横領金等の損害のうち一定額を、全会員があまねく負担するという強制カンパ的意味を持つ「依頼者見舞金制度」が可決・導入される見通しです。
 ただし、加害1件の上限額2000万(被害者一人500万)、法人には支給されないということで、遠からず必ず激しい非難を浴びると思われ、これらの支給制限を撤廃するロジックはないことから、安易に上限額は上がる、すなわち、会員の強制負担は今後上昇することが明らかです。どこまで上がるのでしょうね。
④会務への対償支払い
 これも議論されています。お金が欲しいというより、会務負担を可視化し、縮小方向に働かす効果がある意味では、私はどっちかというと賛成です。
 ただし、会務の萎縮・縮小に働けばよいですが、「やっぱりあれもしたいこれもしたい」に働くと、会務がやたらと増大し、財政を圧迫する要因にもなりかねません。
 よって先に会務を”事業リストラ”する必要があると考えます。
 こうした様々な懸案がある中で、会費を少しでも減額しようと考えて奮闘尽力くださっている先生方がおられるのはうれしい限りです。が、上記4要素は、そうした奮闘尽力を、あざ笑うかのごとくカネを消していく要因だな、と思います。