当職も弁護団に参加させていただいている、いわゆる「大量懲戒」問題に関する損害賠償請求事件のひとつにつき、表記の通り、画期的な判決が出ましたので、ご報告いたします。
東京高裁令和4・9・27判決です。
集団での悪意の不法行為と目される行為について、一部の不法行為者による賠償が、他の不法行為者の賠償額に影響しない旨の判断がされました。
判決の骨子は
・本件は悪意の不法行為であること
・悪意の不法行為の場合は、”単独不法行為の競合か共同不法行為かにかかわらず”各行為者から賠償を受けるのでなければ慰謝されない部分があること
・他の不法行為者から得た賠償金によって賄われるものではないこと
が認められました。
なお、同趣旨の判決は、福岡高裁令和2・11・6でもでています(こちらは直接自分が担当)。
これは、ネット上でなされた集団的な名誉毀損事件に対する影響という意味では、画期的な判断であるように思います。
これは、今後、TwitterなどSNSによって集団で名誉毀損をしたような場合にも応用できる可能性がありえるのではないかと思います。