司法修習生の中には、本を買うのもためらう、という人がいるそうです。
修習生は、アルバイトも厳格に制限されていて、生活費はすべて「自己資金」それがなければ「借金」つまり貸与金で賄うしかありません。
後者であれば、水を飲むのも借金です。

そんな中で、今後、修習の現場がどうなるか。僕の予想です。


結論としては
「貸与利用率(貸与率)は下がり続ける」

と見ています。
 
「いいことじゃないか!」と思われそうですね。
が、きっと、これからは、
1 おうちが裕福
2 食えるかどうか心配しなくていい(親族が安定した法律事務所経営をしている)
3 食えるかどうかなんてどうでもいい猪突猛進初志貫徹
の人だけが、この業界に入ると思われます(この前提自体に疑義があるかもしれませんが、昨今の情勢からして、私はそう予想しています)。
 
そして、3の人は、極めて少ないと思われます。
法曹をめぐる経済情勢に関する情報はすでにかなりネガティブなものが多く、司法試験を狙うような層は、そういう情報にビンカンな者が多いうえ、就活でもいわゆる大企業に行けそうな人がそこそこいるため、殆どがカットされると思われるからです。
 
すると、この業界に入ろうとする人は、1・2が中心となる。
そういう人たちは、貸与金を借りる必要がない。
よって、貸与率は下がる。
 
これって、いいことなんでしょうか。
裕福な人が来ることが悪い、という意味ではないですよ。
 
司法試験って、
・実務に耐えうる程度の最低限の基礎的な法的解釈能力の存否
を試すだけの試験にすぎません(個人的には、付帯的に、その苛酷さから、実務の苛酷な状況に耐えうるかが試されているとも思う)。
にもかかわらず、これに
 
・経済的なフィルタ
 
がくっついているのが、今の司法試験の世界かな、と思います。
 
三国志的にたとえると
A「知力100 営業力10 経済力0」
B「知力50 営業力80 経済力70」
C「知力30 営業力50 経済力100」
D「知力40 営業力60 経済力80」
の人がいるとして、うち1人が合格する試験としましょうか。
このとき、普通に考えれば、Aが合格しますよね。
しかし、「経済力」というパラメータがフィルタになった場合、違う結果が生じます。
「経済力」の合格ラインが70なら、Bが受かります。
「経済力」の合格ラインが80なら、Dが受かります。
「経済力」の合格ラインが100なら、知力30のCが受かります。
 
それで、いいのか、ってことです。
もちろん世の中には
E「知力100 営業力100 経済力100」
みたいな人もいるでしょう。
「そういう人が来ればいいんだ!」というのは、そういう人が黙っていても法曹の世界に魅力を感じてくれるという前提に立った考えであり、それは思い上がりにすぎないと思いますし、それは小学生の算数です。
オトナの算数では「そういう人は、今の司法試験は目指さないでしょう。」ということになると思います。